Wi-Fiルーターを買ったのに、奥の部屋や2階だと全然つながらない…。そんな経験はありませんか?
くまくんWi-Fiってどのくらい届くの?
「もっと遠くまで飛ばす方法はないの?」こういった疑問は、Wi-Fiを使っていればだれでも一度は感じるものです。
この記事では、Wi-Fiの電波が届く距離の目安から、日本の電波法による出力のルール、そして快適に使うための具体的な7つのコツまで、わかりやすく解説します。また、メッシュWi-FiやWi-Fi 7といった最新の技術にも触れています。
Wi-Fiの電波が届く距離はどのくらい?
エレコムやNTTドコモなどのメーカー情報では、Wi-Fiの電波が届く距離は屋内で約50〜100m程度とされています。
しかし、これは障害物が少ない理想的な条件での数値です。総務省の委託調査資料(令和6年「主な無線通信システムの紹介」)では、実際のWi-Fiルーターの通信距離として2.4GHz帯・5GHz帯・6GHz帯のいずれも15〜30m程度と記載されています。
つまり「100m飛ぶ」というのは理論値であり、実際の家庭環境では15〜30m程度が現実的な目安です。一戸建てなら同じフロア内は問題なくても、1階から2階への通信は不安定になりやすく、マンションなら2LDK〜3LDKくらいまでがルーター1台でカバーしやすい範囲です。
📡 Wi-Fi電波の通信距離の目安
理論値と実際の距離はこれだけ違う
Wi-Fiの電波出力は法律で決まっている
「高いルーターを買えば電波がもっと飛ぶのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、実はそうとは限りません。
日本では電波法によって、Wi-Fiルーターの電波出力の上限が定められています。
電波出力の上限は10mW
免許不要で使える無線局(Wi-Fiルーターなど)の出力上限は、法律上は1000mW(1W)まで認められていますが、これは総務省令で定められた一部の用途に限った話です。
現時点でWi-Fiルーターに適用される出力の上限は10mW(0.01W) です。これはすべてのメーカーに共通のルールなので、どんなに「ハイパワー」をうたっている製品でも、この上限を超えることはできません。
つまり、メーカーや価格によって電波が飛ぶ距離が大きく変わることはない、ということです。
技適マークの確認は必須
日本国内で使用するWi-Fiルーターには、電波法の技術基準に適合していることを示す**「技適マーク」** が付いている必要があります。
技適マークのない機器を使用すると電波法違反となり、罰則の対象になります。海外から個人輸入したルーターやアクセスポイントを使用する場合は、必ず技適マークの有無を確認してください。


出典:総務省
⚖️ 電波法とWi-Fiルーターのルール
知っておきたい出力制限と技適マーク
出力上限
共通
出力の差はほぼゼロ
日本の電波法で定められた技術基準に適合していることを証明するマークです。Wi-Fiルーターやスマートフォンなど、電波を発する機器に表示されています。
❌ 技適マークがない機器を使用 → 電波法違反
電波が届きにくくなる原因
Wi-Fiの電波が届く距離は、周囲の環境に大きく左右されます。主な原因を知っておくと、対策が立てやすくなります。
障害物の素材による影響
電波を遮る力は素材によって大きく異なります。
- 影響が小さい: 木材、プラスチック、布、窓ガラス(一般的なもの)
- 影響が中程度: 人体、水(水槽の水など)、ブロック壁
- 影響が大きい: コンクリート、鉄筋、金属製の棚や家具、断熱材(金属入り)、大理石
特に鉄筋コンクリート造のマンションでは、部屋と部屋の間で電波がかなり減衰します。
電波干渉
Wi-Fiの2.4GHz帯は、電子レンジやBluetooth機器、コードレス電話など他の家電と同じ周波数帯を使用しています。これらの機器が近くにあると、電波が干渉して通信が不安定になることがあります。特にコードレス電話機は見落としがちですが、通話中にWi-Fiが遅くなる原因になっていることがあります。
ルーターとの距離
当然ですが、ルーターからの距離が遠くなるほど電波は弱くなります。これは障害物とは別に、電波そのものが距離に応じて減衰するためです。
🧱 障害物がWi-Fi電波に与える影響
素材による電波の遮りやすさを知ろう
Wi-Fiを快適に使うための7つのコツ
電波出力に上限がある以上、Wi-Fiを快適に使うためのポイントは「電波をいかに効率よく届けるか」にかかっています。ここからは、具体的な改善方法を7つご紹介します。
コツ①:ルーターは家の中心に設置する
Wi-Fiルーターの電波は全方向にドーナツ状に広がる特性があります。部屋の隅や窓際に置くと、電波の多くが壁や窓の外に逃げてしまいます。
できるだけ家や部屋の中心付近に設置することで、各部屋への電波を均等に届けることができます。3階建ての場合は、2階に設置するのが効果的です。
コツ②:床から1〜2mの高さに設置する
ルーターを床に直置きしている方は意外と多いですが、これは電波の効率を下げる原因になります。
床に置くと、家具や床材(特にフローリングの下の断熱材や配管)が電波を遮るうえ、床からの反射で干渉が起きやすくなります。棚の上やテーブルの上など、床から1〜2mの高さに設置しましょう。
コツ③:障害物・水・金属から離す
以下のものの近くにルーターを置くのは避けてください。
- 金属製の棚や家具(電波を反射する)
- 水槽、花瓶などの水もの(電波を吸収する)
- 電子レンジ(2.4GHz帯の電波と干渉する)
- テレビやモニターの裏(電磁波の影響を受ける)
- 本棚や収納の中(電波が閉じ込められる)
ルーターのまわりは、できるだけ開放的で見通しのよい状態にしておくのが理想です。
コツ④:周波数帯を使い分ける(2.4GHz / 5GHz / 6GHz)
最近のWi-Fiルーターは、複数の周波数帯に対応しています。それぞれの特徴を理解して使い分けることで、通信品質が大きく変わります。
| 周波数帯 | 最大速度(目安) | 通信距離 | 障害物への強さ | 電波干渉 | 用途の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2.4GHz | 300Mbps | 15〜30m | 強い(遠くまで届く) | 起きやすい | ルーターから離れた部屋、IoT機器 |
| 5GHz | 800Mbps | 15〜30m | やや弱い | 起きにくい | 動画視聴、Web会議、ゲーム |
| 6GHz(Wi-Fi 6E/7) | 数Gbps | 15〜30m | 弱い | 非常に起きにくい | 高画質ストリーミング、VR/AR |
※速度・通信距離は総務省委託調査資料(令和6年)の値を目安として記載
ルーターから離れた場所で使うなら2.4GHz、近距離で速度を重視するなら5GHz、というように状況に合わせて切り替えてみてください。
なお、5GHz帯と6GHz帯には利用上の注意点があります。5GHz帯のうち5.2GHz帯(W52)は屋内利用が基本で、屋外利用には登録が必要です。5.6GHz帯(W56)は登録不要で屋外利用できますが、気象レーダーとの干渉を避けるためDFS(動的周波数選択)機能が作動し、一時的に通信が途切れることがあります。また、6GHz帯は現状では屋外利用がVLPモード(超低出力)に限定されており、屋内利用が前提となっています。
2.4GHz帯は電子レンジやBluetooth機器だけでなく、コードレス電話機とも同じ周波数帯を使っているため、これらの機器の近くでは干渉が起きやすい点にも注意しましょう。
📊 Wi-Fi周波数帯の特徴を比較
速度・距離・干渉を数値で理解しよう
・5.2GHz帯(W52):屋内利用が基本。屋外利用には登録が必要
・5.6GHz帯(W56):屋外利用可(登録不要)だが、DFS機能により一時的に通信が途切れることがある
・6GHz帯:屋外利用はVLPモード(超低出力)のみ。基本的に屋内利用が前提
・2.4GHz帯:電子レンジ、Bluetooth、コードレス電話機と干渉しやすい
コツ⑤:アンテナの向きを調整する
外付けアンテナがあるWi-Fiルーターをお使いなら、アンテナの向きを調整してみましょう。
ポイントは、「アンテナの先端方向ではなく、アンテナに対して垂直の方向に電波が強く飛ぶ」ということです。スカイツリーが上空ではなく水平方向にテレビ電波を飛ばしているのと同じ原理です。
- アンテナを垂直に立てる → 水平方向(同じフロア内)に電波が飛びやすい
- アンテナを横に倒す → 垂直方向(上下の階)に電波が飛びやすい
2階建ての家なら、アンテナを1本は垂直、もう1本は斜めに倒すなど、組み合わせて調整するのがおすすめです。


コツ⑥:中継機を活用する
Wi-Fiルーター1台ではどうしても電波が届かない場所がある場合は、Wi-Fi中継機の導入を検討しましょう。
中継機はルーターから出た電波を受け取り、さらに遠くへ再送信する機器です。コンセントに差すだけで使えるコンパクトなタイプもあり、手軽に導入できます。
ただし、中継機には注意点もあります。
- 中継するたびに通信速度が半減する可能性がある
- ルーターと中継機でSSIDが異なる場合、手動で切り替えが必要
- 中継機の設置場所が悪いと、十分な効果が得られない
中継機は、ルーターと電波を届けたい場所のちょうど中間地点に設置するのが効果的です。
コツ⑦:メッシュWi-Fiで家全体をカバーする
中継機よりもさらに快適なWi-Fi環境を構築したいなら、メッシュWi-Fiがおすすめです。
メッシュWi-Fiは、複数のルーターが連携して「網の目」のようにネットワークを構成する仕組みです。中継機との大きな違いは以下の3つです。
- 自動切り替え: 部屋を移動しても、最も電波の強いルーターに自動で接続が切り替わる(SSIDはひとつ)
- 負荷分散: 接続台数が増えても、複数のルーターに負荷が分散されるため速度が落ちにくい
- 広範囲カバー: サテライト(子機)を追加するだけで、カバー範囲を柔軟に拡張できる
2階建て以上の戸建てや、鉄筋コンクリート造のマンションでWi-Fiの不満を感じている方には、メッシュWi-Fiへの切り替えを強くおすすめします。
最近ではWi-Fi 7対応のメッシュWi-Fiルーターも登場しており、さらなる高速化・安定化が期待できます。Wi-Fi 7では「MLO(Multi-Link Operation)」という技術により、複数の周波数帯を同時に使って通信できるため、遅延の少ない快適な通信が実現します。
🔄 中継機 vs メッシュWi-Fi どっちを選ぶ?
それぞれの仕組みと違いを比較
・コストを抑えたい
・マンションや平屋など部屋数が少ない
・2階建て以上の戸建てに住んでいる
・スマート家電など接続台数が多い
光回線でWi-Fi環境を根本改善するなら
Wi-Fiルーターの設置場所や中継機を工夫しても、そもそもの回線速度が遅いと快適なWi-Fi環境は実現できません。
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まとめ
Wi-Fiの電波はメーカー情報では屋内で50〜100mまで届くとされていますが、総務省の委託調査資料によると実際の通信距離は15〜30m程度です。電波法によりルーターの出力は10mWに制限されているため、メーカーによる差もほとんどありません。
快適にWi-Fiを使うには、ルーターの設置場所の工夫が最も手軽で効果的な方法です。それでも改善しない場合は、中継機やメッシュWi-Fiの導入を検討してみてください。
- ルーターは家の中心に設置する
- 床から1〜2mの高さに設置する
- 障害物・水・金属から離す
- 周波数帯を使い分ける
- アンテナの向きを調整する
- 中継機を活用する
- メッシュWi-Fiで家全体をカバーする
ぜひ今日から試してみてくださいね。

